Review
“シーグレルがヌエボタンゴを
ピアソラも想像しなかったであろう
洗練の境地に導いたことは間違いない"
- Chicago Tribune
"シーグレルは冷静で理解に富み、全てのことがまるで
容易で自然なことであるかのように見せてしまう…
鍵盤の上のシーグレルの指さばきは、
まるでタンゴダンサーが華麗な足さばきの代わりに、
車輪を得て踊るかのようだ"
- The Los Angeles Times
"ピアソラが1992年に地球を去ってから
彼の長年のピアニストにトーチが渡されたのは間違いない
そしてトーチは誇り高く引き継がれている"
- All About Jazz
"シーグレルは...
アルゼンチンの威厳と優しさをもって
ヌエボタンゴの神髄の鼓動を表現している"
- The Guardian
"タンゴ、ラテンジャズ、ボサノバ、ワールドミュージック
クラシック音楽などジャンルを遥かに超えている…
シーグレルはそれぞれの要素を何らかの方法で
芸術的で感動的なものに作り上げている"
- U-T San Diego
"シーグレルの楽団は構造的な経験である
ヌエボタンゴのエッセンスを
極めてムーディーなスイングに解釈している:
厳しさは情熱に、荒々しさは優しさに、動揺は快活さに"
- The New York Times
Biography
名門ブエノスアイレス音楽院で金賞を受賞、首席で卒業。14歳でクラシックピアニストとしてデビューする。ガリア・シャルフマンとアドリアン・モレーノにピアノを、ヘラルド・ガンディーニとフランシスコ・クロプルフに作曲法を学んだ。
作曲家として映画 「Tacos Altos」(1985)、ドラマ映画「Adios Roberto」(1985)、演劇 「Polvo de Estrellas」、テレビシリーズ 「La Noche de los Grandes」、バレエ、コマーシャル等の作曲を数々手掛け、演劇「Traición」の作曲でアルゼンチンのアルレキン最優秀作曲賞を受賞する。
当時アルゼンチンで絶賛されていたパブロ・シーグレル・トリオの評判を聞きつけ、クラシックピアニストとしてヴィルトゥオーゾかつジャズの即興の才をもつピアニストを探していたタンゴの革命児アストル・ピアソラに、アストル・ピアソラ五重奏団のメンバーとして招かれる。1978 年から1989年の師の引退まで10年余巨匠を支え、ピアニストとしてヨーロッパを中心とする世界ツアーに参加し、オーケストラとの公演にも出演。ピアソラ五重奏団の音楽的発展に大きな影響を与える。ピアソラの黄金時代にリリースされた「Zero Hour」、「La Camorra」、「The Central Park Concert」、「Live At The Montreal Jazz Festival」[5]等にも参加する。1990年にパブロ・シーグレル四重奏団を立ち上げる。
イタリア人歌手ミルバ、メゾソプラノ歌手デニーズ・グレイブス、テノール歌手・指揮者プラシド・ドミンゴをはじめ、バレエダンサーのフリオ・ボッカ、ポール・テイラー・ダンスカンパニー等バレエ団、ゲイリー・バートン、ブランフォード・マルサリス、パキート・デ・リベラ、レジーナ・カーター、ケニー・ギャレット等ジャズアーティストとの共演を重ねるほか、オルフェウス室内管弦楽団、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団、シドニー交響楽団、トルコ国立大統領交響楽団、コロラド交響楽団をはじめ世界を代表するオーケストラと共演を果たす。
ロイヤル・アルバート・ホール、ボローニャ市立劇場、カーネギーホール、コロン劇場、シドニー・オペラハウス、オランダハーグ王立劇場、コンセルトヘボウ、リンカーンセンター、ソウル・アーツセンター(韓国)、ラヴェンナ・フェスティバル、ギルモア・ピアノフェスティバル、ブルーノート、バードランドなどで演奏活動を行う。
最新アルバム「タンゴジャズ」で、2018年のグラミー賞最優秀ラテンジャズアルバムを受賞。ヌエボタンゴでラテンジャズ部門の初受賞をもたらした。2013年のラテングラミー賞にノミネートされたアルバム「アムステルダム・ミーツ・ニュー・タンゴ」では、シーグレルの代表作がジャズオーケストラ編成用に編曲がされた。同年には、シーグレルがプロデューサー、ピアニスト、編曲家として監修したサックス奏者フリオ・ボッティのアルバム「タンゴ・ノスタルジア」もラテングラミー賞にノミネートされた。2011年には、ベースバリトンオペラ歌手アーウィン・シュロットのアルバム「ロホタンゴ」でシーグレルは音楽監督、編曲家、ピアニストとして参加し、同作品をエコークラシック賞に導いた。シーグレルの2005年の「バホ・セロ」はラテングラミー賞を受賞し、2008年の「ブエノスアイレス・レポート」は同賞にノミネートされた。
2012年にはシーグレル編曲版「ブエノスアイレスの四季」日本初演が東京オペラシティ文化財団主催にてオーケストラ編成で上演される。2016年には横浜芸術振興財団/横浜能楽堂による委嘱で新作「12 Horas」~重なる瞬間(とき)~を尺八、琴、ピアノ、バンドネオン、弦楽五重奏、和打楽器、ドラムのために作曲し、みなとみらいホールにて藤原道山(尺八)、奥田雅楽之一(箏)をゲストに世界初演。作品は日本伝統音楽とアルゼンチンのヌエボタンゴとの壮大なクロスオーバを遂げたことで絶賛される。同作品は、2018年9月にアメリカ初演された。
2020/2021年シーズンには、リヨン国立管弦楽団、サンパウロ交響楽団、ジュネーブ室内管弦楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団との共演および、モーツァルテウム音楽院におけるマスタークラスの開催が予定されている。
教育者としても、ニューイングランド音楽院、バークリー音楽大学、インディアナ大学、ハーバード大学、イーストマン音楽院等、世界各地で後進の育成にも力を注いでいる。